今日は諸事情により夜まで仕事の時間が取れないので、ちまちま覚書代わりに、電子版作ってみたい人にももしかしたら参考になればいいなということでメモを残しておこうと思います。
すでに同様の内容のブログが大量にあるので、その気になって探せばたくさん情報が出てきますが、自己満足です(笑)
(1)経緯
もともとは完売した同人誌に対して、ちらちらと再版のご希望をいただいても、なかなか対応できないので、いったん再録本を出したのですが、電子だったら在庫切れの心配も(基本的には)なく、購入しても場所をとらないメリットは読者さん的にもいいかも、と思い、検討をはじめました。
が、最初はKindleかなって思っていたら、Kindleは登録がめんどくさく、epubデータを自分で用意しないといけないので、ハードルが高くて一回断念。
その後、ガールズマニアックスさんからイベントでご挨拶いただき、本を渡せばデータ化してくれるときいて、がるまにさんのサイトをみたところ、PDF等で販売可能、データ登録もOKとのことだったので、これならできそう!と思い、ようやく、取り掛かることにしました。
楽しくなっていろいろ調べた結果、同じデータをほぼ流用できそうなので、BOOTHでもやってみることにし、BOOKWALKERさんだとPDFからepubデータを簡単に作成できることがわかって、この3か所でとりあえずやってみようということにしています。
(2)
私の場合、同人誌はすべてデータ入稿ですが、入稿形式はepsかaiです。トンボをつけて入稿することがほとんどなので、まずトンボなしの断ち切りデータに直したあと、PDFに変換→連結→一応のプロテクト(印刷のみを制限)という過程を取っています。
めんどくさいといえばめんどくさいんですが、心理的に、実本をお渡しして先方で分解&スキャンされることを考えると、自分でデータをいじったほうが精神衛生的にいいなと思って、自分でデータ作成してます。
ショートカットとアクションつかえば基本的に同じ作業の繰り返しなので、今のところ本文データを準備するのは楽しい感じです!
息抜きにやったりしているのですが、楽しすぎて、なんなら人様のデータも作りたいくらい……。同人誌も入稿作業大好きなんですよね……💓
ちなみに同人誌作成時に使用しているのはフォトショとイラレ、PDFの各処理はPDFelementを使用しています。
小説なのでもともと総量がそんなに重くないこともあって、解像度は350のまま、PDF作成時に元データから80%縮小した大きさで現状は落ち着いています。PCスマホのどちらで見てもさほどストレスのない大きさ、かつ、拡大してもぼやけにくくて、ULやDLのストレスも少なく……が理想なので、この先また変わるかもしれませんが、とりあえず。
(3)各サイトについて
使用感やメリットデメリットは完全に個人の感想ですので、あくまでご参考まで。
a)BOOTH
登録:pixivアカウントがあれば簡単です。あとは振込先や、商品に対する問い合わせメールを指定するくらいだったかと。
個人で販売するかたちになるので、特定商取引法にのっとって販売者情報を公開するのですが、BOOTH上ではなく、必要に応じてメールでお知らせする方法が取れます。
入力するときも解説が親切なのでふつうに進めて終了。
商品登録の項目も少なく、タグ付けもpixivのタグと似てるので、慣れていると楽な感じ。
必要データ:連結したPDFとは別途、表紙およびサンプルのjpg画像が必要になります。最低限表紙のjpgが必要。
でも同人誌の書店委託をすでにしている場合、表紙およびサンプルはすでに用意してあるので、それをそのまま使っています。
R-18の基準はpixivに準じているようなので、性描写がある場合は基本R-18区分がいいようです。
メリット:気軽。そもそもpixiv自体がクリエイターと閲覧者の距離感が近いのが楽しいところかなと思うのですが、それがそのままBOOTHにもつながっていて、ネット上の同人誌即売会で買う、みたいな気分があります。自分で買ってみた感想は、「作者さんから直接買う」=「直接応援」=「好きという気持ちを伝えられた」という感じがあって、そこがいいなって思いました。
自分で販売するため、審査などのタイムラグがなく、登録したら即販売開始になります。
データにミスがあった場合、差し替えると購入者は差し替えたあとのデータもDLできるみたいです。
販売手数料は価格の3.6パーセントと、振込時の手数料(200円〜300円)だけなので、1冊あたりの入金額は一番高くなります。
デメリット:商品データをアップロードするわけですが、販売ストアごとに容量の上限があるので、無限に商品が登録できるわけではないこと。とはいえ容量は10GBなので窮屈ではないです。
商品データULの画面でメッセージが出ますが、購入者の6割はスマホからとのことで、圧縮しないでデータ登録するのが望ましいみたいなのですが、漫画がメインの方だと容量上限はちょっと気になるかも? 今後改善とかいろいろあるかもしれませんが。
b)Girls Maniax
登録)最初にDLsite(母体)にユーザー登録が必要です。個人情報や振込先など基本的なことはBOOTHとあまりかわりないです。
委託販売になるので、販売者情報を公開する必要はありません。
販売に際しての商品登録は、母体がDL販売に強い会社さんなので、登録しなければならない項目がけっこう多いです。
「英語のサイトでも販売するか」「200文字以内のキャッチコピー」「カテゴリ」「女性向けか男性向けか」などなど。
ちなみに英語サイトでの販売は、デフォルトで「する」にチェックが入っているので、よくわからずそのまま登録したら、「小説だから売れないと思うんで登録しません」という趣旨のメールが届き、それからチェックを外して登録することにしました(笑)
販売書籍の登録から販売開始までは、申請の時間にもよりますが、だいたい24時間程度です。配信開始は深夜0時から。
必要データ)自分でPDFを納品してもよさそうですが、トンボさえなければpsdやepsのまま納品しても大丈夫です。
そのかわり、サンプル画像のほかに商品のサムネイル画像が2種類必要になります。横長長方形と正方形。これがちょっとだけ手間かも……。
メリット)委託販売なので購入者に個人情報を開示する必要がないところ。サイト自体が大きいので、自分で宣伝しなかった場合も、商品があることに気づいてもらえそう。よくイベントでも宣伝を見かけるので、知名度も高くユーザーさんも多そうです。
定期的にフェアが開催されていて、購入価格でもらえるポイントが10倍になったり、価格自体が安くなったりと、普通の電子書籍のサイトみたいなので、お得にDLしてもらうチャンスがある(売る側には露出の機会が増える)のもいいところだと思います。
また、書籍だけじゃなくて、ゲームや音楽などの販売方法もあるので、そういう作品がある場合はまずこのサイトかな!と思います。
デメリット)がるまにさん自体は女性向け特化のサイトですが、DLsiteさん自体は男性向けの強いところなので、特に小説の取り扱い数は多くないかな?という印象でした。フェアも漫画や映像が中心です。
カテゴリやタグづけもハードエロスに寄っているので、そういうのに強い場合は向いている販売サイトさんかなと思いますが、たとえば「搾乳」とかも、「……BLの搾乳ではなくおんなのこのを絞るプレイが想定されているのでは……」と思ってちょっと選びづらい(個人の感想です)。
また、販売価格が100円刻みでしか設定できないので、場合によっては不便に感じることがあるかもしれません。
C)BOOKWALKER
登録)ブックウォーカーにユーザー登録したあと、著者センターに登録します。
また、epub作成を行うアプリがなくてブックウォーカーさんのサービスを利用する場合、「ロマンサー」というサービスを使うのですが、ボイジャーBinBというところで登録が必要になります。
書籍登録に関しては項目少なめで、楽といえば楽。申請から販売開始までは、これもタイミングによると思いますが、2日ほどかかります。コピーライトの記入欄があるのがほかのサイトと違うところかも。
必要データ)
epub作成用に連結済みのPDFが必要です。右綴じ(縦書き、通常のコミック)と左綴じ(横書き、絵本など)が選べ、見開きでデータを作成するので、同人誌では通常データを用意しない表2、3のデータがあったほうがノンブルがずれずにすみます。
片ページ形式での表示・作成もできるみたいでした。
ロマンサーを使ったepubデータの作り方は、著者センターからhow toページにリンクがあるので、それを見れば楽々でした。
本文データ以外に表紙の画像も必要ですが、これはどこも同じですね。
メリット)母体がKADOKAWAさんなので、ライトノベル系に強く、BL小説の扱いも多いところ。
たぶん女性のユーザーさんも多いんじゃないかなと思います。
またがるまにさん同様、委託販売なので購入者に個人情報を開示する必要はありません。
印税は販売価格の50%で同人誌電子販売の標準的な設定みたいですが、振込手数料はかからないようです。
あとはなんといってもepubデータが作成できるので、元になる同人誌がなくて、書き下ろしで販売したい!というときも活躍してくれそう。見開きでデータが作れるため、元の同人誌に近いかたちで読んでもらえるのもいいなと思います。
デメリット)
商品(書籍)を登録する際に記載する項目が少なく、楽といえば楽なのですが、できるだけくわしく内容を知ってから買いたいユーザーさんにはちょっと不親切かもと思います。
同人誌の番外編の場合は買うほうも狙い撃ちだと思うのでいいんですけど、書き下ろしのものを初見で見かけて買うのはちょっとハードルが高いかなあと思ったり。
あとは、見開きデータだとスマホで閲覧するよりも、タブレットやPCなどで読むのが前提になると思うので、(スマホ用のビューワアプリももちろんあります)小説は読みにくいと感じる場合もあるかも? これは未検証なので、確かめてみたいと思います!
追記:epub変換に使うサイト「ロマンサー」ですが、無料プランだと月50mb(epub変換後のデータ量で計算)までしか使えません。500円で月上限が150MBになります。毎月1日リセットで、有料プランは1度申込めば継続するわけではなく、その月だけの単発支払いでした。うちの本の分量だと、50MBは月4冊までが限界ですね。分厚い本を変換する場合は、有料プランにしないと厳しいかもです。
とはいえ、気軽に作れるのはやっぱりありがたいです。
※さらに追記※
ロマンサーではwordファイルから直接epubファイルを作る機能もあり、これはすごく便利だな!と思いました。ただ、無料プランの上限ですが、epubのほうがPDF連結よりは軽いんので、変換前のPDFデータ(51MB)を変換しようとしたら、「容量が大きすぎて失敗しました」というメッセージが出ました。有料版では、どうなるのかこのあとやってみます。
また、epubを無料で作成できるサイトはほかにもありまして、BCCKSというところがありました。
BCCKSではテキストから、BCCKS内で書籍の形式にして、EPUBデータを作れるようです。
同人誌は紙のものとできるだけ同じがいいなあと思って、現状PDFから作成したフィックス型のepubにしていますが、フォーマットにこだわらなければBCCKSで全部すませることも可能ですし、リフロー型/フィックス型にも対応しているみたいです。
(リフロー型はユーザーの読む環境やデバイスによって、1ページに表示される文字数などが変化するタイプのやつです)
BCCKSは有料サービスで各電子書店に配本してくれるというサービスもあって、面白そうだな!って思いました。
だらだら書きましたが、一太郎がそもそもepub対応と聞いてびっくりしました。便利な世の中!!
そのうちワードも対応するのかな〜。
【開始後1ヶ月たったところでの感想】
DLしていただいた回数を見ると、今のところ、BOOTH>B☆W>がるまに、という感じです。
ブックウォーカーさんは実質半月ほどの稼働なので、やはり女性ユーザーが多いのかも?
BOOTHは最初にDL開始したということと、たぶん読者さんもすでに利用されたことがある方が多いからかなと思いました。
この先はBL小説に強いところがあったら検討してみたいなと思っていますが、3か所あると買う側的にも選択の余地があって便利かなと思うので、しばらく現状維持でしょうか。
感想としては、「はじめてみたら楽しい!」です(笑)もっと早くとりかかればよかった〜。
これから順次過去のものを電子化して、新刊もなるべく早くご用意できるようにしたいです!