おはようございます! 今日は朝更新をしております。
発売まであと1週間と迫ってきた『泣けない竜は愛を捧げる』(白泉社刊/イラスト:yoco先生)、今日はキャラ紹介をお送りしたいと思います。
あわせて、物語世界のご紹介もいたしますね。
今回の素敵なカバーイラストは切り分けが難しいので、もう一回カバー絵を貼ります。
まずは物語世界。
舞台:
昔々、あるところに……の雰囲気で、どこか遠くの世界。
主人公たちが住んでいるのは「ガーネリア王国」。周囲を山に囲まれ豊富な宝石資源に恵まれた国です。宝石関係の職人が多いだけでなく、豊かな分だけ音楽や詩の文化も発達しています。
国を囲む山々の中で、東西南北にはそれぞれ大きい山があり、東はジオム山、西はアプフェル山。南はガーネ山(一番高く、竜が住む)、北はシャープール山。このうちシャープールだけは宝石が取れず、北部は国内でもっとも貧しい地域。
首都ハーカウェイは「宝石の街」と呼ばれ、色彩豊かに彩られた大聖堂、青の宝石で飾られたお城が有名。街も、貴族たちが住むあたりは青と白で美しく整備されています。対して旧市街は昔の面影を残しています。ガーネ山の裾野にあるため、坂や階段の多い風情のある街。
竜族とは:
竜は宝石の守り神として、かつては信仰の対象でした。しかし、国が豊かになるにつれてその神聖性を失い、大きな戦争を機に祀られることもなくなり、逆に厄介者のような存在に。竜族側も「宝石を守る存在」という自負と、人間よりも優れているという優越感があるため、神聖な我々を崇めない人間など、という見下しと怒りがありました。きちんと崇めて捧げものをするならば危害は加えないが、人間(妻)も食料(宝石)もよこさないならば報復する――それを繰り返すうちに人間と竜族の溝は深まってしまいました。
現在の竜族はガーネリア国民にとって、怖くて厄介な化け物だが、一方では宝石のためにはいなくてはならない存在「かもしれない」という微妙な扱い。畏怖の念と嫌悪が入り混じる存在です。すごく信じているわけではないけれど、なんとなく手出しできない感じ。
十五年前の噴火事件のあと、残った竜は眠っているとも言われるし、もう絶滅したと言う者もいます。そのなかで、急に頻繁な竜被害が出はじめ――というところから物語がスタートします。
続けてキャラクターもご紹介しますね。
ルートヴィヒ:受/もうすぐ二十歳。
竜族の最後の生き残り。人の姿になることもでき、淡い金髪に翠色の瞳。身長は低めで華奢で、竜の姿のときも普通より小さい。全身淡い金色で、顎の下の逆鱗だけが紅色。涙や血液など体液は、排出すると宝石に変じる。
竜は個体としてオスしか存在せず、人間から伴侶をめとって繁殖するが、オスでも子供をうむことができる(生殖機能としては雌雄同体)ので、伴侶は男性でも女性でもかまわない。男性を伴侶とした場合、竜は卵をうむ。
ルートヴィヒは竜が父、母が人間。
先祖の残した機械人形の召使いたちに囲まれ、ガーネ山の洞窟(竜族の城)で一人で生活している。ガーネ山は竜のすみかとして、王家とは不可侵の契約が結ばれており、古の力で守られているため、人が立ち入ることはできない。
寂しがり屋の優しい性格で、一度も街に降りたことがないので極度の世間知らず。健気で自己犠牲的。控えめ。
宝石しか食べることができず、人間と共通で口にできるのは水やお茶など飲み物だけ。洞窟では毎晩「宝石ジュース」を飲んでいる。
エリック:攻/二十五歳。
北方シャープール山にある村の生まれ。十五年前の竜の襲撃により家族をすべて亡くす。
ガーネリアには珍しい黒髪と灰青の瞳。身長は175センチ程度、細身で端正な顔立ち。昼間は、無名作家の絵画や美術品を「有名」とか「将来有望」などと言って金持ちに売りつける、詐欺師まがいの仕事。夜は悪徳な貴族や聖職者、商人などの家から不正に貯めた金や宝石を盗み出し、庶民に配る義賊をやっている。
家族を殺した竜を憎み、復讐のため、十五年間次の竜の出没を待ち続けていた。
「あるべきものをあるべき場所へ」がモットーで、受けた恩は返す、恨みは晴らす、という信条を持つが、普段は物静かで淡々としている。
国王であるベルナーとは、十一年前に一度出会っており、そのときの恩を返すために、ベルナーの頼みを引き受ける。
もともとは家族思いで、弟や妹のことをとても大切にしていた。長男気質で、つい無自覚に他人の面倒を見てしまう傾向がある。
ベルナー:サブキャラ1/若き国王。二十八歳。
ガーネリアでは一般的な、金髪&琥珀色の瞳。無能な父から位を継ぎ、政を牛耳るモスウィックに対抗しようとしている。快活な美丈夫で、有能だが外見が朗らかでのんびりしているので、一見おばかそうに見える。竜族に対しては好意的。
度重なる竜の「襲撃」を怪しんでいる。
モスウィック:サブキャラ2/大神官長。
痩せて慇懃無礼な老人。ベルナーの父の時代には、政治に興味のない王にかわって、実質的に国を支配していた。竜信仰を馬鹿にしており、教会の権威を高めたいと考えている。金儲けにも余念がなく、宝石を生み出す竜も金づるだと思っているし、ガーネ山も発掘したいと考えている。
ピピ:サブキャラ3/機械人形
ルートヴィヒに仕える4体の機械人形をとりまとめる、執事のような存在。かつて竜族が栄華をほこった時代に、不思議な力によって作られた。長いこと存在していることもあって物知りで、ルートヴィヒにとっては世の中のことや竜族のことを教えてくれる先生でもある。身長は100センチほど、陶器の頭にブリキの身体(召使らしい服をちゃんと着ている)。
ドーリス:サブキャラ4/修道女
首都ハーカウェイで、年若いシスターのリマとともに孤児院を営む。年配の女性で、かつてエリックが子供の頃、食べ物を恵んであげたことがある。西方にある職人の街出身。おっとりしていておだやか、古き良き習慣を尊ぶ、みんなのおばあちゃん的存在。エリックは今も定期的に支援をしている。
竜を恐れてはいるが、神聖だとも思っている。
孤児院は街で続いている竜の被害のため壊れてしまった部分がある。
キト:サブキャラ5/孤児
ドーリスの孤児院で暮らす元気な少年。人参が嫌い。東のほうの街出身だが、家族を全員なくしている。人懐っこく、ちょっぴり生意気だが面倒見がよく、竜の被害で家族を亡くして孤児院に来た、幼いミーシャのことも可愛がっている。子供たちのリーダーを自認し、ルートヴィヒにもすぐ心をひらく。
ざっとこんな感じでしょうか。名前が出てきて存命のキャラはひととおりご説明いたしました!
ちょっとわかりにくい部分もあるかと思いますが、読んでいけばそんなにややこしくはない世界観とキャラクター相関図です。
今見返したら、プロットには、微塵も使わなかった細かい設定がいっぱいあって、遠い目になりました。なんでこんなに……書いてしまったんでしょう……(担当様には申し訳ないです)。
よく飲まれるお酒の名前とかいらないよ!(笑)
本のご紹介のたびに言っている気がしますが、今回も、私の好きな雰囲気をたくさん集めたお話です。
宝石を含めた鉱石、と聞くとときめかずにはいられないし、宝石ジュースはもちろんナルニアリスペクト。古から主をうしなってもひっそりと生き続ける機械人形は悲哀とロマンの塊ですし、「竜」、しかも最後の生き残りというワードにはたまらない魅力を感じます。体液が宝石になる、というのも定番で最高ですよね✨
そんな胸踊るキーワードとともに、お送りする『泣けない竜は愛を捧げる』は、一言で説明すると、憎まれる存在になってしまった竜のルートヴィヒは、自分は恋も叶わないのだと諦めながらも、大好きな人間へと愛を捧げる……という感じのお話です。
どうぞ楽しく、物語世界を旅するような気分で読んでいただけたら嬉しいです!
一部内容が重複する部分もありますが、もっと読みやすい(と思う)コミコミさんでのインタビューもございます!
本日27日より公開なので、そちらもぜひ、ご覧になってくださいね。
いろんな質問に答えさせていただきました!
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